「視点を変える」というのは、なんと面白いことでしょうか。
いつも見ているものでも、「視点を変える」と、全然違って見えてきます。
本書は、その面白さを伝えてくれる絵本です。
ルーペちゃんは虫眼鏡。だから、小さいものを大きくして見ることができるんです。
職業は、探偵さん。探し物が得意なので、天職ですね。
早速お客さんがやってきました。依頼者は、コビトちゃん。大切な赤いハンカチをなくしてしまったそうです。とっても小さいコビトちゃんのハンカチはもっともっと小さいのです。これは、ルーペちゃんの出番ですね!
ルーペちゃんとコビトちゃん、いろんなものを拡大しながら、ハンカチを探します。
コビトちゃんの大切なハンカチは、見つかるかな……?
いつも見ている小さな石ころが、ルーペで拡大すると
「まるで いわみたいだね!」
可愛い桃も、
「いがいと けぶかいのね!」
と、視点が変わると、こんなにも違って見える。
今、自分の目で見えているものが全てではないということ、見方を変えたら面白いことがたくさんあるということを、親子で感じていただけたらと思います。
物語を楽しんでいる中で、子どもたちが大好きな迷路に絵探しまで登場して、なんとも盛りだくさんの絵本です。
さらに子ども心をくすぐるのが、そのネーミングセンス。
いしころのコロスケくん、はっぱのペラコちゃんなど、少し変わっているのですが、極めつけは、トウモロコシのコーンツブツブさん!
聞くだけも面白い、そして口にしたくなる名前!
ささやかな部分からも、子どもに「読みたい」と思わせる力を持った絵本です。
さらに、「虫眼鏡で色々なものを見てみよう!」と、カバーの最後のソデと裏表紙に、たくさんのものが紹介されていますが、それがまた全部、絶妙なネーミングセンス。
段ボールはだんきち、お塩はショッパー、では輪ゴムは何だと思いますか?
ぜひ、本書をご覧くださいね!
そして、こんな風に面白く名前をつけながら色々なものを虫眼鏡で覗いていくのも、楽しいかもしれません!
(洪愛舜 編集者・ライター)
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