おや? 森の中で、こぐまのまあすけが、自転車に乗る練習をしているようですよ。どれどれ。
「ふらふらふら…がっしゃーん。」
「ふらふらふら…がっしゃーん。」
あぶなかしくって見てられない。まあすけは張り切っているのにね。見かねたやぎのおじさんが、まあすけにぼうしをくれます。
「すぐ じてんしゃに のれるように なる ふしぎな ぼうしだよ。」
「へえー、ほんとっ。ありがとっ。」
そんなすごい帽子なんてあるのかな、なんて思っていると、まあすけはすいすいすい……すごい!? その時、風が吹いて帽子が飛んでいってしまった!どうする、まあすけ?
「自転車に乗れるようになりたい!」
そう思いながらも、怖がっていたり、うまくいかなくて嫌になっていたり。そんな子どもたちがたくさんいるはず。でも、まあすけがマイペースに頑張る姿を見ているうちに、不思議と心の緊張がほぐれていくようです。すっとんきょうな表情がいいのかな? それもあるけど、まあすけの素直な心が伝わってくるんですよね。魔法もかかっちゃうはずなのです。最後にちょっとだけお兄ちゃんになったまあすけにも、心が温まります。
馬場のぼるさんの「くまのまあすけのえほん」シリーズ。こんな愛らしい作品があったんですね。新しい出会いに嬉しくなっちゃいました。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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