
野原に落ちてた赤い風船。 おじいさんが拾ってふくらますと、ひとりでに歌を歌いだしました。 それに勝手にどんどんふくらんで、おじいさんもおばあさんもまごもいぬも、次々に空へ浮かんでしまって……。
ロシア民話の『おおきなかぶ』を彷彿とさせるおはなしです。 人や動物たちが次々に出てきては、なすすべもなく宙に浮いていくようすには、人形劇を見るようなテンポのよさを感じます。
作者の中川ひろたかさんは、「みんなともだち」「世界中のこどもたちが」などの歌で知られるシンガー・ソング・ライターでもあります。 作中で赤い風船がひょうひょうと歌う歌には、楽譜もついています。 楽譜どおりに歌って読んでもいいし、自分でふしをつけて自由に楽しんでも、もちろんOKです。
場面に緩急のあるおはなしなので、読み聞かせる人にとっては腕の鳴る作品かもしれませんよ。
(てらしまちはる ライター/こどもアプリ研究家)

おじいさんが道で拾った風船をふくらますと、風船は気持ち良く歌いながらどんどん大きくなって、おじいさんを持ち上げ、おばあさんも持ち上げ、どんどん空に上がっていって…。

最初は、おおきなかぶ、とお話一緒じゃないの?と思っていましたが、猫がネズミに助けを求めなかったあたりからお話が急展開し、子供たちはとてもワクワクしている様子でした。道端に落ちている風船を膨らます、なんてことはないかもしれませんが、得体の知れないもので遊ぶのは良くないですね。 (ままmamaママさん 40代・ママ 女の子12歳、女の子8歳、男の子6歳、女の子3歳)
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