あしたは きっと 空が見えるよ。
ひょっとしたら 青空かも。
あしたは きっと リスに会えるよ。
あしたは きっと おいしいものが食べられるよ。
あしたは きっと……。
絵本を開くと、たくさんの「あした」の情景が広がります。
ピーナッツをかじるリス。ドアを開けた向こうのみんな。
車の窓から歌が聞こえて、空には飛行機の白い影が見えて……。
へんちくりんな生きものが、心配そうな虫がいて。
詩的な言葉と、レイン・スミスのあたたかみのある絵から、イマジネーションはどんどん広がります。
あれ? 世界ってこんなに楽しそうだったっけ?
こんなに……あしたって、何に出会うかわからないものだったっけ?
心が、まだ見ぬ何かをつかみたくて、そわそわ、わくわくしてきちゃう。
文を書いたデイヴ・エガーズは、両親を早く亡くし幼い弟を1人で育てることになったいきさつを書いた『驚くべき天才の胸もはりさけんばかりの奮闘記』(文藝春秋)でデビューした作家。
青山南さんの軽やかな訳が、想像豊かに本書の世界を彩ります。
アメリカで最も優れた児童書に贈られる、コールデコット賞とニューベリー賞を受賞したレイン・スミスの絵の世界を存分にあじわってくださいね。
夜、眠る前、あしたを楽しみにして……。
「あしたはきっと……さいこうよ」と、にっこり笑って眠れたら素敵!
大人も子どももきっと、心にふわっとつばさが生えたようなひとときを味わえる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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