表紙には、こんがり焼き色がついた、うさぎやパンダ、きりんの……パンたち。
手にもっているのは、チョコだの、バターだの、オレンジジャム(?)だの……。
え、これは材料?
もしかして、パンがパンをつくるの?
さあ、ページをめくってみましょう。
「パンパン通り」と、看板が見える町。
「ぐうぐうすうすう ぐうぐうすうすう」と誰もがねむっているようです。
そう、今は真夜中。
パン屋さんだけにあかりがついているんです。
パン屋の中には……?
おおきなパン生地。
勝手にうごきだす……。
もにゅん……もにゅん……?
こねる人はいないのでしょうか?
と、思う間もなく次々生まれたのは、動物のかたち!
パン生地たち、自分でオーブンに入っちゃうの!?
なんと、意外や意外。
真夜中のパン屋さんでは、パン生地たちが自分でパンになっていたのです!
それぞれどんなふうにクリームやジャムをからだの中に入れているのか、ぜひみなさんの目で確かめてください!
なんでしょう、この可愛らしさ。
「チーン!」と音がするたび、わくわく、心ときめく動物パンのできあがり。
さらに、そそられるのは、見返しのレトロな風合いの茶色の紙。
まるで焼きたてパンを入れる紙袋のような手触りじゃありませんか。
これはもう、1冊に焼きたての動物パンがまるごとたくさん包まれているようなものですね!
まっしろな生地から生まれた、おいしそうな動物パンパン。
焼き具合もこの上なくこんがりと。
香ばしさが漂ってきそうな絵をご覧あれ。
人気作家ユニット、ザ・キャビンカンパニーによる、これまでこのユニットのこんな美味しそうな本あったかしら!とわくわくしちゃう絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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