いろいろな野菜たちが、おいしくなるためにお勉強する「やさいのがっこう」。
そこでのかわいらしい騒動を描いたシリーズ第4弾です。
今回の主人公は、本がだいすきで、いつも読書をしている『キャベツくん』。
いろんなことを知っているキャベツくんですが、ひどく心配性な性格でもあります。
不安を解消するために、おもいついたことをすぐに試してみるキャベツくんは、友だちからすると“ちょっと変”だったり、“なんだかズレてる”ように見えてしまうことも。
そのせいで笑われたり、いきすぎたところを怒られたりしますが、キャベツくんはいたってマイペース。
そんな、ある日キャベツくんは、とてもおそろしいことを知ってしまいます。
なんと、キャベツは野菜ではなく、ほんとは花だというのです!?
もし野菜じゃないのだとしたら、もう野菜の学校にはいられなくなってしまう……、
キャベツくんはもちろん、そのことを知ったほかの野菜たちも、すっかり元気がなくなってしまうのですが――。
野菜は、食べられないままほうっておかれると、どうなっちゃうの?
そんな疑問をテーマにした一冊。
ブロッコリーくんやだいこんさんの花の色、
じゃがいもくんやたまねぎくんの、育ちすぎた姿、
ふだん家では見ることのない、野菜たちの意外な変化にびっくり!
姿も性格もまるきりちがう野菜たちが、おたがいの個性を好きあって過ごす学校生活――。
野菜の秘密を知ることのできる学習絵本としてはもちろん、お互いの個性を尊重するということのたのしさ、うれしさに気づかせてくれるかわいい一冊です!
(堀井拓馬 小説家)
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