木に、赤いりんごがいくつもなっています。
とりくんがやってきて、りんごをひとつ、とりました。
木の下には、うらやましそうにそれを見上げるねずみくん。
「ぼくにも つばさが あったらなあ」
さるくん、ぞうくん、きりんくん、カンガルーさん・・・。
動物たちが、ひとつずつ、りんごをとっていくたび、「きのぼり できたら」「はなが ながかったら」「くびが ながかったら」「たかく とべたら」と、ねずみくんは思います。
でも、最後にやってきた動物は、どれもできない代わり、得意技でねずみくんを投げ上げて・・・?
木にのこった2つのりんご。誰の手でもぎとられたのか、お話を読んでみてくださいね。
腕を振り回したり、木にとびついたり。鼻をひっぱったり、木に突撃したり。・・・一生懸命やってみるけど、りんごがとれないねずみくん。
かわいそうだけど思わずクスッと笑っちゃう、ユーモラスなねずみくんの仕草とともに、次々登場する動物たちの伸びやかな体の線も見どころです。
『ねずみくんのチョッキ』にはじまる人気シリーズ、第2作目のお話です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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○あらすじ
高い木になったりんご。ねずみくんにはとれません。
そこへとりくんがやってきて、りんごをひとつとりました。
さるくんもやってきて、りんごをひとつとりました。
ぞうくんやきりんくん、カンガルーさん、さいくんもりんごをとっていきました。
するとあしかくんがやってきて・・・。
○編集部より
ねずみくんは、とりくんのようにそらをとべません。さるくんのようにきのぼりもできません。はなもくびも長くないし、たかくとべないし、ちからもつよくありません。
あしかくんも同じです。でも、あしかくんには得意なことがありました!
そして、ふたりでなかよくりんごをとることができました。
次の展開が楽しみなページをめくる面白さ、弱いものや小さいものへのあたたかい眼差しは、なかえよしを先生と上野紀子先生の作品づくりで大切なテーマになっています。
だれにでも、その人なりの持ち味やよさがあります。それがたったひとつでも、ほかの人が持っていないものが必ずあるはずです。
ねずみくんの姿に、子どもたちが「ああ、よかった」と思うと同時に、自分にしかない何かを見つけてくれると思います。
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