雷がゴロゴロ鳴っている。地震がきてぐらぐら揺れている。
風がびゅうびゅう吹いてきて……。
ああ、どうしよう。
自分たちの力ではどうにもならないことが起きた時。
とっても怖いし、とっても不安。
私は臆病だから。
でもね、あなただけじゃないよ。
大人だって不安だし、昔の人だってずっと怖いと思ってきた。
あたりまえだよね。
だからこそ、こんなおまじないが伝わっているんだって。
「くわばら くわばら」
「まじゃらく まじゃらく」
「とーしー とーしー」
なんだか不思議な言葉。どんな意味があるんだろう。じゃあ、今みたいに病気になるのが怖かったり、説明できないけど嫌な事があったときには、どんなおまじないがあるの……?
表面上はわからなかったとしても、子どもたちをじわじわと苦しめるのは「不安な心」、そして「臆病で怖がりな心」。これを克服するのは難しい。だって、驚くことに大人になってもその心はなくならないのですから。この絵本の作者中脇初枝さんも、絵を描かれているあずみ虫さんもそう。そんなお二人が子どもたちの心に寄り添い、はげましてくれる絵本をつくってくれました。
心が落ち着くおまじない。
「つるかめ つるかめ」
繰り返し声に出して読んでおけば、いつか助けになってくれる日があるかもしれない。勇気をもらえるかもしれない。そんな願いをこめて読んでくださいね。巻末にはおまじないの意味や由来も収められていますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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