古くから日本でうたわれてきた旋律や手遊びうたを松谷みよ子さんが見開き1ページにおさまる詩にしています。松谷さんオリジナルの詩もあります。そこにいわさきちひろさんが絵を描いています。
「おでことおでこがこっつんこ おはなとおはなもこっつんこ」
お母さんとあかちゃんが見つめ合い、おでこをよせ合ういわさきちひろさんの絵を見ると、すーっと心が静まるような気がします。癒されるといえばいいのでしょうか。そんな素敵な絵がたくさんあります。
「ここはおじいちゃんににたところ ここはおばあちゃんににたところ・・・(略)だいどうだいどう くちゅくちゅくちゅ」
・・・だいどうだいどうで(あかちゃんを抱いた)ひざをゆすって、くちゅくちゅくちゅで、かるくくすぐって下さい、と小さな文字で、詩の後ろに遊び方が添えてあります。
他にも「おつむてんてん あわわ かいぐりかいぐり とっとのめ」など、聞いたことある、なつかしい!と思い出された方はぜひ手にとって確かめてください。
聞いたことがない方はぜひ一度本書をあかちゃんとのコミュニケーションに使ってみてください。
ひざにゆったりあかちゃんを抱き、いっしょに言葉を読み上げてみると・・・言葉がまだ出ない子も、おしゃべりができるようになった子も、うれしそうにお母さんお父さんに身をまかせて、旋律の世界を味わおうとするでしょう。そんな幼い子の姿に大人はきっと驚き励まされるでしょう。
あかちゃんのときにふさわしく、そしてその宝物の時間にいつでも時空を超えて戻ることができる、タイムトンネルのような力を発揮してくれる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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