○あらすじ
節分の夜のことです。どのうちからもまめをまく音がして、おにの子のおにたは、いくところがありません。つのをかくす古いむぎわらぼうしをかぶって、まちを歩いていきました。ようやく小さな橋をわたったところに、まめのにおいのしない家をみつけました。そこには、おんなのことおかあさんがすんでいました。おかあさんは病気でした。てんじょうのはりの上で、ふたりのようすをみていたおにたは、おんなのこをよろこばせてやりたいと思います。
○編集部より
おんなのこを思いやるおにたの気持ちが、せつなくいじらしく、いわさきちひろさんの絵とともに、いつまでもこころにのこります。あとがきで作者のあまんきみこさんは、「どうも、このごろのオニは、帽子をかぶりたがっている気がします。そして、雲霧四散したがっているようにさえ思われてきました」と書かれています。・・・おにたは今、どこにいるのでしょうか?
続きを読む