「地球の用事」「チョウ チョウ」「空気」……。誰の心にもまっすぐと素直に届く、まど・みちおさんの詩の数々。
眺めているだけで心が浮き立つような、凛として愛らしいモザイクアート。
「世界はこんなにも美しい」
この美しい詩と絵の本は、2019年に山口大学付付属病院の小児病棟に設置された「ホスピタルアート」から生まれたのだそう。独自の世界観で活躍を続けるデザイナー渡邉良重さんが、まどさんの詩を17編選び、インスピレーションを受けながら完成された絵の数々。病院を訪れる多くの人々の心を包み込んでいるアートが、こうして私たち読者の手にも届けられたのです。
ちいさな自分、大好きなお花、巡る季節に歌う喜び。世界中の生き物と空から見守ってくれる星たち。その一つ一つをかみしめながら、心の内側がじんわりと明るくなるのを感じることができるのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
世界はこんなにも美しい 国民的な詩人であるまど・みちおさんのだれの心にも響く詩と、独自の世界観で活躍を続けるデザイナー、渡邉良重さんの絵が生み出す珠玉のコラボレーション。宇宙的な視点を持つまどさんの世界観を再発見し、ことばから広がるアートの力を五感でたのしめる、喜びに溢れた一冊です。 ◆推薦文 「詩と絵がつくる特別な窓」 ある場所の白い壁に、詩と絵がある。それは言葉と絵なんだけど、まるで窓があるみたいだ。その窓からは、遠いところや、いま、ここ、自分のことや、あたりまえのことがどんなにかけがえがないかということが見える。ある小児病棟の壁に、そんな窓がかかっている。まど・みちおという詩人と、渡邉良重という画家が創った〈特別の窓ホスピタルアート〉。この本に並んでいるのは、その窓たちだ。 松田素子(編集者)
編集者のおすすめポイント 数多くの詩を生み出したまどさんの作品から、独特の世界観で表現をされるグラフィックデザイナー・渡邉良重さんが17篇の詩を選び、インスピレーションを受けて生み出した絵をまとめた、詩と絵の本。おふたりの故郷が同じ山口県周南市ということもあり、どこか共通する原風景を感じる。数々の作家の物語や言葉とコラボレーションする渡邉さんが「とにかく可愛い」と評する圧倒的な力をもつまどさんの詩は、読者の心に真摯に届き、世界と自分の繋がりを自然と感じる。ことばとアートの力を再発見し、ページをめくる余韻に浸る、本ならではの喜びに溢れた作品。子どもから大人まで、声に出して読みたくなり、言葉をこえて感じられる、五感を刺激する一冊です。 続きを読む
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