まりちゃんがベッドに行くと、猫のマオちゃんが先に来て枕の上で寝ていました。
どうやらいつものことのよう。まりちゃんはマオちゃんをよっこいしょと持ち上げて、ねこベッドに運んであげました。
子どもにとって、猫はそこそこ重いはず。まりちゃん、おつかれさまです。
やっと寝られると思いきや、まりちゃんはなぜだか寝付けません。
枕を抱えてゴロゴロしているうちにベッドから転がり落ち、なんと小さくなってしまいました。
その姿のまま、「まてまてまくら!」と枕をおいかけるまりちゃん。
ぬいぐるみのうさちゃんとたぬちゃんも巻き込んで、部屋の中を走り回ります。
そして、とうとう枕はマオちゃんの頭の上へ。
うさちゃんたちの助けで、なんとか枕をつかまえたまりちゃんですが、今度はまりちゃん自身が月まで飛んで行ってしまい……・!?
ピーロー。
飛んでいく時のこのフレーズが、じわじわクセになります。
枕は英語でピローだから、ピーロー? なんて考えるのも無粋な気がして、自分の思う「ピーロー。」を声に出して言ってみると、不思議と愉快な気分に。
そこで、もう一度読み返してみると、見逃していたユーモラスな様子があっちにもこっちにも。
おなかをぽんと出したたぬちゃんや、変なポーズのマオちゃん、寝ているたぬちゃんの横でなぜかお団子を食べているうさちゃん。
思わずクスッとしてしまいます。
寝る前の読み聞かせにぴったりな「まてまて まくら」。読んでいるうちにいつの間にか自分も夢の中に入ってしまうかもしれませんよ。
(近野明日花 絵本ナビライター)
続きを読む