いたずらっ子のガビは、お医者さんごっこで、ぬいぐるみのくまのボリボンのおなかをはさみでじょきじょき切ってしまいました。さて、ガビが、遊びから帰ってみると、ボリボンが見あたりません! いったい、どこへ行ったのでしょう? たんすの中にも、ベッドの下にも、りんごの木の上にも、暖炉の上にも、地下室にもいません。きっと、にげだしたにちがいありません。ガビは、ボリボンをさがしに出かけます。でも、ボリボンは、山にも、川にも、森にも、野原にもいません。ボリボンは、山からころげおちたのでしょうか、川でおぼれたのでしょうか、森で迷子になったのでしょうか、それとも、おおかみに食べられてしまったのでしょうか? かわいそうなボリボン! ガビが泣いていると……。
『ラチとらいおん』でおなじみのハンガリーの絵本作家、マレーク・ベロニカさんが、40年以上前の処女作を、日本の読者のために、このたび全面的に描きなおしてくれました。
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