|
也子(かのこ)の前に現れたかわいい子ぎつね。「あたしに化かされたい?」ときかれた也子はとっさに、「ぜんぜん」と答えてしまう。段々とかけがえのない存在になっていく、也子と子ぎつね。だが、あの夏、あの恐ろしい爆弾が落とされた……。
著者は被爆二世。『かはたれ散在ガ池の河童猫』(福音館書店)で、第35回児童文芸新人賞、第39回児童文学者協会新人賞ほか受賞歴を持っている方です。
★日本児童文芸家協会賞、赤い鳥さし絵賞を受賞いたしました。
続きを読む
被爆二世である朽木祥さんが、戦争の悲惨をこのようなメルヘンに仕立てた意味を考えました。
こぎつねと少女のやりとりは、とても可愛らしいのですが、上空をB29が飛び、空襲警報がなり、最後には広島原爆に遭遇するとき、ふたりが遊んだ竹やぶは非現実の世界、どちらかというと心の中の世界として瑞々しく感じ取れました。
ささめやゆきさんの絵で、ファンタジーのようになったこの作品ですが、とても奥が深いと思います。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
|