年に一度のお祭りの日に、精一杯おしゃれをしたいというのは、人としてだれもが願う気持ちです。いつも体を丸め気味にしてうつらうつらしているアルマジロは、まるで石ころが転がっているみたいに見えます。目立たないことで、身を守っているのでしょうか。そんな、地味なアルマジロが、たまには目立ってみたいと思い立ち、腕をふるいます。
アンデスの人々がまとっている、いろどりも鮮やかなマントにさらに複雑な模様を織り込んでいこうと、励みます。さてさて、アルマジロの思いは、うまくいったでしょうか。お話の常として、邪魔が入り、アルマジロは最初の計画を変更せざるを得なくなります。
あんまりにも一生懸命なアルマジロの姿に、思わず、がんばってと声をかけてしまうほど迫真の描写です。
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