「どうして夜はねむらなくちゃいけないの。わたし、ねむくないもん」とベッドで眉をしかめる女の子。お布団にもぐりこみ、お布団のトンネルをすすんでいくと……ふわふわ、ふんわり、くもみたい。ふわふわの中を通り抜けたら、大きな白いお山があらわれます。女の子がさらにぐんぐん登っていくと……そこには、お月さまが寝ていたのでした。
白いふんわりした山は、お月さまのお布団。おひげを生やしたおじいさんのような、優しい顔のお月さまは、女の子に気づいて目を覚まし、星たちと一緒に夜空に飛び出します。「ザザザザー」「トゥリン トゥリン」
パステルで描かれた、あたたかみのある夜空の紺色。やわらかい卵色のようなお月さまの黄色。月も星も気持ちよさそうに空にいます。「ねむくないもん」という女の子を抱き、本を読んでくれるお月さまに、思わずにっこり。ねむくないけど、ねむるってあったかい。ねむるって気持ちいい……。そう思える、おやすみ前にぴったりの絵本です。親子のリラックスタイムにもどうぞ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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