絵師ハン・ガンの描く馬が絵から飛びだして動き出す、というこの不思議な話。
作者のチェン・ジャンホンが実在する中国の絵から着想を得て創られた話だという。
ハン・ガンの絵に向かう真剣な眼差し、本当に動き出しそうな迫力の馬の絵の数々、
そして何と言っても真実を目の当たりにした時の馬の表情
(大型画面からまっすぐこちらをにらみつけるようなまっすぐな目)・・・。
作者のチェン・ジャンホンが中国の絵を見た時に感じたように、
話の中で、ハン・ガンの馬の絵を見た人々が感じたように、
私たちもまた、この絵本の絵の力に様々な感情を喚起されるのです。
心に染み入る物語ですが、それ以上の何かを訴えかけられてくる様です。
作者の既刊「ウェン王子とトラ」同様、この絵本もまた各国で評価されているのもうなずけるのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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