「はいけい、てんごくのおとうちゃん、げんきにしてますか。」 今は天国にいるおとうちゃんとのエピソードを一つ一つ思い返していく僕。 遊んでくれたこと、怒られたこと、すごいなぁと思ったこと。少ないけれど、どれも全部大切な思い出。 小さい子どもの口から語られるそれらを聞いていると、何だか切ないような、悲しいような・・・。 胸を締め付けられる様な思いをしている大人をよそに、絵本の中の僕は言うのです。 「ぼくより おとうちゃんが かわいそうなんとちがうやろか。」 それを聞いてはっとします。子どもというのは、大人が思っている以上に目の前の事実を受け止める力があるのかもしれない。 実際の経験をもとに描かれたという作者の言葉は、とても力強く頼もしいメッセージを伝えてくれます。子どもにとって好きな人というのは、ちゃんと心の中で生きているという事を教えてくれるのです。何より僕の笑顔が物語ってくれています。 そして、更にこの絵本を子ども達がとても自然な形で読み、受け入れていく姿にもまた驚かされます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
天国のおとうちゃん、元気にしてますか。 幼いころに亡くした父との、少ないけれど大切な思い出。人気絵本作家、長谷川義史が描く、温かいユーモアで包み込まれた父と子の交流が、心にしみ渡る1冊です。
お父さんとの、思い出を拾い集めて、
手紙を書くように語りかける文章はじーんとなります。
作者さんの本当の気持ちが、丁寧にかかれているのでしょう。
この文章の中には出てきませんが、
明るく頑張って、家を切り盛りしているすばらしいお母さんの存在も感じます。
この方の絵、家にねこちゃんが住んでいるのも嬉しい。
お父ちゃんと会えないと困るから、駄菓子屋で万引きしなかった立派なぼく。
車の中から大丈夫か?とのぞいたおじちゃん、絶対それはお父さんだよ。
あるよ、そういうこと。
もうじき4年生になるまっすぐ育っているぼく。
おとうちゃんはニコニコして見ていると思います。 (capellaさん 60代・じいじ・ばあば )
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