きょう ぼくは はじめて おとうさんの うまれた うみべのまちへ いきます。
「ぼく」は家族で白い車に乗って出発します。牧場をこえて、田んぼの一本道を通り、街なかをすぎて、大きな橋をわたったら……灯台が見えてくる! 山沿いの家から海辺の町へむかう道中の風景を、美しい絵と日記ふうの文体でえがきます。
この絵本には、もうひとり主人公がいます。 本をうしろから開くと、海辺にすむ「わたし」があかい車に乗って、母方の祖父母を山のふもとへ訪ねるお話になるのです。 前からとうしろから、ふたつのお話が楽しめる絵本です。
どちらの表紙からもお話が展開するストーリー。
「うみへ」は、白い文字のおはなしで、男の子が主人公。
「やまへ」は、赤い文字のおはなしで、女の子が主人公。
それぞれ、白い車に乗って、父親の生まれた場所へ、
赤い車に乗って、母親の生まれた場所へ。
山から海、海から山、と、実は同じルートを逆向きに、
ということで、中盤にはすれ違うところも。
同じルートなのに、それぞれ違う印象というのも興味深いです。
三浦太郎さんらしいシンプルな造形がスタイリッシュ。
海も山も満喫気分です。
(レイラさん 50代・じいじ・ばあば 女の子1歳、女の子0歳)
|