ぼくが何かするたびに、ママは言うんだ。
「はやく しなさい!」
「もっと、ちゃんとして!」
「しずかにして」
「もう! いいかげんにしなさい!!」
あーーもう、こんなに色々言われたらぼくだってイヤになる。だから大きな声で思わず言ったんだ。
「ママのおくち チャック!!」
するとママのおくちに本当にチャックがついた! おまけに怒ろうとすると動けなくなったみたいだ。ということは、ぼくがなにをしてもママにしかられることはない……これは、チャンス!?
どんな家庭でも、日常的に見られるこんなやりとり。怒ってばかりいるママに自分を重ねてしまう人も、怒られてばかりいるぼくに共感してしまう子も、きっとたくさんいるでしょうね。でも、もし本当に何をしたって怒られることがないとわかったら、自分だったら何をするのかな。
子どもの気持ちも大人の気持ちもユニークに描きだしてしまう、大人気絵本作家さいとうしのぶさんの最新作は、思わずニンマリ、ちょっぴり悲鳴、最後には幸せな気持ちになってしまう、仲良し親子の楽しいお話。
読者の方からのアイディアも参考にされたという「思いっきりやりたいことをやるぼく」の場面は見ごたえたっぷり。それはもう大胆不敵、爽快な気持ちになるほど見事な暴れっぷり。ママのあきらめの表情も納得なのです。一つ言えることは、ママもぼくも「全力の時間を過ごしている」ということ。親子で一緒に笑い飛ばしながら読んでみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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■ 大人気『あっちゃん あがつく たべものあいうえお』作者のユーモア絵本!
ママとパパにしかられなかったら、どんなこと…しちゃう?
ぼくがなにかをするたびに、いつも口うるさく言うママ。
「はやく しなさい!」「いいかげんにしなさい!」「しずかにして!」
…イヤになったぼくは、大きな声でこう言った。
「ママのおくち チャック!!」
そしたら本当に、ママのおくちにチャックがついちゃった!? しかも、おころうとすると、動けなくなるみたい。
…ということは、ぼくがなにをしても、ママにしかられることはないぞ。
これは、チャ〜ンス!
■書店員さんにも大人気!
思わず、「どっちの気持ちもわかるんです!」とつぶやいてしまいました。
ママのおくちにチャック、したくなっちゃうよね。結局さみしくなっちゃうんだケド!
(紀伊國屋書店 武蔵小杉店)
もーうるさい! 少しは静かにして! って、親としては思う毎日ですが、子どももそう思っているんだ!
(ヤマト屋書店 東仙台店)
親子でぜひ読んでほしい。お互いの気持ちを知ることで、仲良く一緒に過ごすきっかけになると思いました。
(喜久屋書店 阿倍野店子ども館)
たいせつな人にいますぐ「だいすきだよ!」って言いたくなった。おくちチャックされちゃうまえに…
(宮脇書店 朝霞店)
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