「ことばのえほん」シリーズ2作目『かっきくけっこ』は、日本語の50音の面白さをそのまま絵本にしてしまった驚きの作品!
“かっきくけっこ”、“ささししすせせそ”、“なーに ぬねーの”。理屈はわからないけれど、これ以上ないくらい“か行”“さ行”“な行”らしさを表わしているような谷川俊太郎さんの言葉。色々な声で読んでみれば更にその表現の多様性に気がつかされます。ただ50音を読んでいるだけなのに!「私達日本人はこんなに面白い響きの言葉をつかって表現しているんだ」と感じることができればこんな嬉しいことはないですよね。
何より谷川さんご自身が楽しんで創られたに違いないこの作品なのですが、その感覚を瞬時に感じ取って表現しつくしている堀内誠一さんの絵は必見です。音の持つ響きやイメージを見事に線と色と形に対応させ、読むものの感覚に訴えかけてきます。そうして、この不思議な今まで見た事のない絵本が完成したのです。(1972年に!)小さい頃からこんなハイセンスな絵本を読める子ども達に嫉妬してしまいそうです(笑)。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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