突然の竜巻で、カンザスから見知らぬ場所へ飛ばされてしまったドロシー。 脳みそのないかかしや心臓のないブリキのきこり、臆病なライオンとともに、エメラルドの街をめざして旅をします。 繊細で上質なツヴェルガーの絵と江國香織の文章が、見事にとけあい、美しい世界をつくりだしています。 絵本のサイズで物語にじっくりとひたることができます。
映画と音楽の印象がとても強いファンタジーなだけに、どうしても期待感が先に立ってしまうのですが、あの名作長編を文字で読むには、横書きの2段組はちょっときつい感じがしました。
視覚的な印象が強い作品なので、絵が多用されているか、文章と絵が一体化されている本が理想のような気もするのですが、なによりツヴェルガーの絵が少なくて、文章に圧倒されています。
お話もツヴェルガーも好きなだけに、妙に物足りなさを感じてしまいました。
でも、あの映画が見たくなることは間違いなしです。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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