縦にひらいて大迫力、上へ上へと登るドキドキ感で子どもたちを夢中にさせてくれた『100かいだてのいえ』。
今度のいえはなんと地面の下! 地下のいえの登場です。
今回「ちか100かいだてのいえ」にお呼ばれしたのは、おふろが大好きなクウちゃんという女の子。
ある日、クウちゃんがおふろに入っていると、きゅうに誰かの声が聞こえてきたのです。
「クウちゃん、わたしのいえのちか100かいで これからパーティーがあるの。
あそびにこない?」
入り口は湖のむこうの火山のふもとなんですって。地面の下のいえって、一体どうなっているのでしょうね。
クウちゃんと一緒にのぞいてみましょう。
最初に登場したのは、ウサギさんのおうち。にんじんやレタスの畑がある部屋の階段をおりて、ウサギさんたちが生活している横をお邪魔しながら地下10階まで到着です。さあ、次に住んでいるのは・・・アライグマさん。あらあら、部屋の中でどろんこ遊びをしています。クウちゃんまで一緒に!パーティーは大丈夫なの?
さらに下の部屋へおりていくと、セミの幼虫さん、ダンゴムシさん、アリさんのおうちと続きます。「100かいだてのいえ」と同じように、やっぱりみんな個性的でユーモアたっぷりな部屋ばかり。でも、ここは地面の下。様子がだんだんと変わっていきます。なにしろ地球の中心へと向かっているのです。トカゲさんのおうちのカッコいいこと!
地下60階、70階、80階と、不思議な部屋を通って下にいくにつれ、ドキドキが増してきます。
地下100階ってどうなっているのでしょう。パーティ―に呼んでくれたのは、誰だったのでしょう。
それは・・・!?
『100かいだてのいえ』では、ページをめくるたびに上へ登って行ったのに、『ちか100かいだてのいえ』ではページをめくるたびに、下へとおりていきます。
シンプルだけど大きな違い。これが子どもたちをワクワクさせてくれるのです。
作者いわいとしおさんの遊びごころには、いつも脱帽ですね。
さあ、じっくり、ゆっくり、時間をかけて地下の世界を楽しんでください!
次のいえは・・・どこなのかな?
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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