両親の死で、7歳のネリーは幼い弟妹と別れて引き取られる。
そこで温かく迎えられ、週末には3人一緒に過ごせるようになるが…。
両親を亡くした幼い3人姉弟に周囲は温かい。
しかし、優しさに触れれば触れるほど、何かの瞬間に甦る喪失感は深くなってしまう。
その悲しみを乗りこえた時、人は大きく成長します。柳田邦男氏、渾身の翻訳絵本第3弾。
ある日突然、幼い3人のきょうだいを襲った両親の事故死。今の時代は、どんな悲運が子どもたちの身に降りかかる
かわからないほど厳しい。そうでなくても、ストレスの多い社会のなかで、自分を肯定的にとらえられないで、
生きる力を失くしている子が少なくない。子どもたちに「生きなおす力」を芽生えされるものは、何か。子どもは本来、
つらく悲しいことがあっても、抱きしめられるようなやさしさの支えがあれば、笑顔をとりもどせる。
10歳で父を亡くした私の経験から、切にそう思う。しかも、こんな悲しみのない家庭や社会をつくろうと、
子どもながらに、未来をひらく生き方を考えるようにさえなるのだ。この絵本の主人公ネリーが最後に窓辺で
遠くを見つめるまなざしに秘められたメッセージを読みとってほしい。―― 柳田邦男(本書帯文より)
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