真っ赤なスープの激辛ラーメンを見ると、なぜか「地獄」というキーワードが思い浮かびます。
あまりの辛さに悶絶するから?
スープの色が「血の池」を想像させるから?
…いやいや、実際に地獄ではラーメン屋が繁盛しているらしいですよ!?
「天国には美味しいお菓子がいっぱいあるのに、地獄にはなんにもない」
「地獄、大きらい!」
地獄にいる人間たちの不満を聞いた閻魔様。
「なんだとう。てんごくなんかに まけるもんか!」
口惜しがって一念発起。思いついたのが、閻魔様が大好きなラーメン屋。
研究の末に完成したのは、地獄にぴったりなからーいからーい「じごくめいぶつ・ちのいけラーメン」。
ところが、あまりに辛くて誰も食べられない。
そこで、完食できたらご褒美がもらえることになったのですが…?
大繁盛のラーメン屋「えんま軒」、ついには噂を聞きつけた天国からもお客がやってくる展開には驚きです。ラーメンを通じて始まる天国と地獄のやりとり。いったいどんな結末が待っているというのでしょう。
絵本『じごくのラーメンや』の背景に描かれているのは、針の山や火のくるま。恐ろしい鬼たちだってウロウロしています。だって、ここは地獄だから。だけど、どうしても笑ってしまうのはなぜでしょう。
子どもたちが大好きな、思いっきり笑える爆笑地獄絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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