遊んで学べる絵本として大人気、香川元太郎さんの「迷路絵本」シリーズ。
第7弾のテーマは、子どもたちにとっても身近な生き物「昆虫」です。
犬の散歩をしていた子どもたち、虫が集まっている不思議な場所を見つけました。扉がある!なのに開かない。よく目を凝らすと、アリの行列が文字を作っています。解読した文字の通りにすると、扉が開いた!そして奥へ進むと・・・「まてーい!」いきなり目の前に現れたのはサムライ(実は虫の妖精!)、カブト武者。驚いた犬たちは走って逃げだし「虫穴」に入っちゃいました。この虫穴に入ると、体が縮んで虫の国に行ってしまうんだって・・・さぁ大変!カブト武者と一緒に、犬たちを連れ戻しに行かなくちゃ!!
思いがけず扉を開いて踏み込んだ「秘密の虫穴」に始まり、「テントウムシの庭」「チョウの花園」「セミの木」「クワガタムシの林」「ホタルの夜」「トンボの川」「ゲンゴロウの池」「カマキリの草むら」「スズムシの夕暮れ」「アリの地下街」、そして「昆虫の塔」まで。今回は、昆虫の種類や棲む場所・環境ごとに違う全12場面からなる虫の国を、カブト武者と一緒に探検していきます。
歴史考証イラストの専門家として、歴史雑誌や学習参考書などに多数の作品を描かれてきた香川元太郎さん。「昆虫」は対照的なテーマにも思うのですが・・・開いてみて、うなってしまいます!
セミ、クワガタ、トンボやゲンゴロウ、ページいっぱいに動き回り飛び回る昆虫たち、その体や羽根、足、体に生えている毛や体の色まで実に精緻でリアル。本物のようなのにどこか表情もあって、虫たちに可愛さや親しみが湧いてきちゃうから不思議です。草や花々、木の葉や幹、水面も色鮮やかで瑞々しく、まるで切り取られた虫の世界に立っているような感覚が楽しめます。
各見開きページで楽しめる迷路は2つ。簡単に通り抜けられる迷路と難しい迷路、これだけでも十分楽しめるのですが、今回ももちろん、かくし絵とクイズもみどころですよ。
たとえば「チョウの花園」。うららかに咲く花の間をカラスアゲハやナミアゲハなどたくさんのチョウが舞う中に隠れているのはハルゼミ、ツチハンミョウ、ハナムグリなど春の虫たち。クイズでは、ある一匹の幼虫がどのチョウの幼虫かを当ててみて。幼虫やさなぎの生態を学び、さらに同じ環境に暮らすほかの生き物たちにまで知識を広げていくことができるんです。
また登場する虫の名前が細部にさりげなく紹介されていたり、羽化や獲物をしとめる様子が描かれていたりと昆虫図鑑のような要素も詰まっていて、散歩や自然観察にも持ち歩きたくなっちゃいます。
今回も子どもも大人も夢中にさせてくれました、そしてようやく最後の迷路をクリアして、やったー!!と、達成感にひたる間もなく。
「どうじゃ、もう一度虫の国の探検してみんか?」ってカブト武者。「もっと虫探検」やカバー裏の「はみだしクイズ」には、絵本の中に登場する昆虫以外の生き物やグッズについても出題されるんですから、遊び心満載です。
まだまだまだ続く、だからおもしろい、もっともっとじっくり読み返したくなる迷路絵本。
さあ、もう一度カブト武者たちと「虫の国」の旅へ、いってらっしゃーい!
(絵本ナビ編集部)
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ベストセラー「遊んで学べる」迷路絵本シリーズ、第7弾!
精緻に描かれた昆虫の世界には、迷路やかくし絵が仕掛けられています。そこには、「テントウムシの庭」や「クワガタムシの林」などの国が広がり、いろいろな種類の昆虫が暮らしています。正確に描かれた生態や生息場所、幼虫やさなぎの姿、いろいろな昆虫の名前など、迷路やかくし絵を追っていくうちに楽しみながら学べます。遊びながら自然への関心が高まり、生物への興味や好奇心が育つ一冊。
<内容>犬の散歩をしていたら、犬が秘密の虫穴へにげてしまったんだ。ぼくたちも虫穴を通って犬をつれもどしにいこう! 「テントウムシの庭」→「セミの木」→「クワガタムシの林」→「ホタルの夜」→「トンボの川」→「ゲンゴロウの池」→「カマキリの草むら」→「スズムシの夕暮れ」→「昆虫の塔」
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