「友だちの石」を持っていない子どもは、かわいそう。
この絵本は言います。
自転車はあっても、馬を持っていても、象を持っていても、自分だけの部屋があっても、ねじ巻式の龍たちがいても。そうしたものが何もかもあっても、もし「友だちの石」を持っていなければその子はかわいそう、だと。
では「友だちの石」ってなんだろう。
それは特別な石。自分で見つけて、いつまでも永遠に大切にできるような石。
でも、安心して。
絵本の中で教えてくれます、「石の見つけ方のルール10」を。
どこに行けばいいのか、どうやって探せばいいのか。気を付けないといけない事は何か。探す時の姿勢、選び方、形、色、におい。そして最も大切なことは、だれにも相談などしないこと。
そうして見つけた石。それをいつでも持っていればいいのです。
「その石の どこが それほど特別なの?」
もし聞かれたとしても、答える必要なんてないのです。
世代を超えて読み継がれているこの絵本。1974年に初版が刊行されて以来、多くの人が石(小さな地球)に眼を向けるきっかけとなったそう。自分だけの石に秘められたパワーと魅力…大人だって惹かれます。だけどやっぱり必要としているのは子ども達。この絵本を通して、一人で探し出そうと決意することが大切なのです。絵本を読んで、何かのきっかけの一つになりますように。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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