お母さんが夜寝る時に話してくれるのは、おばけの兄弟さくぴーとたろぽうの一家のおはなしです。あらあら、このおばけたち。なんだか、とてもほのぼのして可愛いらしいですね。緊張感なんてなくて、力が抜けてきます。
おばけの生活は、昼と夜が逆転。だから、さくぴーとたろぽうは夜起きて、ご飯を食べて、みんなが寝る頃に保育園に向かいます。そして、お父さんの仕事は人を脅かすこと、お母さんは買い物やお料理。なかなか忙しそうですね。そして、みんながやっと朝起きた頃、さくぴーとたろぽうは家に帰ってくるのです「ただいまー。」
今、おばけたち一家は何やってる時間かなぁ…なんて考えているだけでおばけと友達になれた気分。想像が膨らんでいきます。コワイなんて言葉はひとつも浮かんできません。だってさくぴーとたろぽうも、おばけの保育園にいるみんなも、可愛すぎるんですもの。これは親にとってちょっと困りものかもしれません。なかなか寝ない子に「早く寝ないとおばけの時間になっちゃうよ」と言っても…こんな風に返事しちゃいますよね。
「一緒にあそびたーい。」
こんなおばけ一家がいたら、私だってそう答えちゃいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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