2歳が3歳になって、4歳になって…
どんどん大きくなる子どもたちに向かって、私たち大人は言わずにはいられません。
「おおきくなったね」
でも、子どもたちはどう感じているのかな。
おおきくなるって、どういうことなのかな。
この絵本は、一緒に考えてくれます。
「おおきくなるっていうことは…」
洋服が小さくなるってこと。新しい歯がはえてくること。
あんまり泣かないこと、高いところに登れること。
それから、それから。
小さい子どもたちの毎日は「おおきくなる」喜びでいっぱい!
だけど、園長先生は言います。
「おおきくなるっていうことは
じぶんより ちいさなひとが
おおきくなるってこと」
それって、どういうことなのかな?
ピーマン村シリーズの中でも、特に進学・卒園の時期に人気のこの絵本。保育士でもあった中川ひろたかさんが投げかける一つ一つの言葉は、小さな子どもたちが自分たちでも考えられるように優しくわかりやすいのです。そして、そのシンプルな言葉に心情をのせてくれるのが村上康成さんの絵と構成。熱い気持ちには体温を感じる背景色、未知の世界へ飛び出していくかのような場面には、白の背景を。読んでいる人たちが思い思いに気持ちを映していきます。
ところで、おおきくなるっていうのは、どういうことなのか。大人だって一緒に考えたくなる一大テーマなのかもしれません。読んだあとも、絵本を大切にとっておいてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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