小さな女の子まゆが雑木林の奥で出会ったのは、とんでもなく大きな体をした鬼。ぎらぎらひかる目玉、頭の上には2本のツノ。しかもお腹が空いている様子。
まゆは、鬼なんて見た事もなかったので、「かわってるな」としか思いません。まゆを食べようと誘い出す鬼に、ぴょんぴょんついていってしまいます。大丈夫かしら…?
ところがこの後、驚くべき事が起こるのです。鬼がお湯を沸かすのを手伝おうと、まゆは近くに生えていた太い松の木をめきめきっと引っこ抜き、ばきばき折って、あっという間に薪の山を作りあげてしまったのです。なんて怪力……実は、彼女は山姥の娘だったのです!!
なんとかまゆを食べようとする鬼と、天真爛漫で愛らしいのに想像を絶する怪力のまゆ。そのやり取りの愉快なこと! ドキドキしながらも、小さな読者は躍動感あふれる絵とストーリーにすっかり魅了されてしまうのです。まゆのお母さんである山姥の存在も気になって仕方がありません。
子どもたちの間で大人気となったこの絵本は、「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズとして続きます。合わせて楽しんでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む