冷戦下のチェコで育った絵本作家の軌跡を描く自伝的絵本。いわれた通りに絵をかき、いわれた通りに考えていた子ども時代。 やがて、ロックンロールやビートルズといった自由な世界の音楽が入ってきて、世界は少しずつひらけはじめる。 1968年プラハの春。そしてその終わり……。自由を夢見るピーターのまえに、かべは厚く、大きくたちはだかっていた。
ピーター・シスの自伝絵本としり、読んでみました。冷戦下にチェコスロヴァキアで育ったピーター・シス。自由を制限されると知っていても、ここまでひどかったのか、と恐ろしく思います。そんな過酷な環境での半生とともに、当時の歴史までが、細かく描かれた絵と、当時の日記もはさまれて、わかりやすいです。そして、読みながら、今のウクライナの状況を重ねてしまい胸がいたくなりました。羽のついた自転車で飛ぶ少年の絵が、心に強く残りました。読めてよかったです。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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