ビルが立ち並ぶ街へと続く橋のたもとに、辺りの景色にそぐわない、一軒の駄菓子屋があります。
ぼくらの放課後は、この駄菓子屋からはじまる!
「チャンガラ〜 チャンガラ〜 チャンガラ〜」
駄菓子屋のおばちゃんがおかしな音のスズを鳴らすと、辺りの景色が一変!
ビルは深い森をたたえた山々に変わり、コンクリートの道路は舗装されていない土の道になっています。
さっきまであったデパートに代わって道にはずらりと露店が連なり、街へと続いていた橋の先には、神社の鳥居がそびえています。
見たこともないような奇妙な町。
でも、どこかで見たような懐かしい町。
そう、ここが「ちゃんがら町」、
ぼくらの放課後の冒険の舞台!
人間なのか? 妖怪なのか? それともキツネが化けたもの? ちゃんがら町に住むのは、正体不明のちゃんがらっ子。
かっぱが住むと噂される洞窟や、巨大なうどんが食べられるお店もあったり、とってもへんてこな町です。
でも、古き良き昭和の日本に似た、懐かしい町でもあるんです。
駄菓子屋、探検、秘密基地、コマ遊び―
ひとページひとページに、ノスタルジックなワクワクの詰まった、大人も楽しい一冊。
駄菓子屋もめっきり見かけなくなった近年にあっては、この作品に感じる魅力が大人と子どもとで違うものになるでしょう。
昔を知らない子どもたちには、ちゃんがら町ならでの奇妙な光景と合いまったかつての日本の景色が、和風ファンタジーな異世界として映るかもしれません。
なつかしくってワクワクで……不思議な味わいの世界、ちゃんがら町。
あなたはこの町を、どんなふうに感じますか?
(堀井拓馬 小説家)
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