ともだちのまりちゃんは目が見えない。 見えないってどんな感じかなぁ。試しに目をつむってみると…。 まりちゃんはいいなぁ、こんなにすてきな音が聞こえるなんて。
そうやって色々な人の立場を想像をめぐらせて経験していく絵本。 最後にはちょっとしたしかけの様なお話の展開になっています。
大きなテーマの様でいて、とっても身近なお話。それでいて、ドキっとする。読み終えると自分の感覚や世界がぐっと広がった様な。同じ物事でも視点をほんのちょっと変えるだけでこんなお話ができてしまうのですね。
色々な題材を扱っているのにみんなさりげなくて、でも絵本のストーリーとして魅力的で、読み終わった後にちょっと考えてしまう「中山千夏の絵本」シリーズ。 「どんなかんじかなあ」で和田誠さんの素敵な絵がコラボレートされていて更に言葉が印象的に頭に残ります。他のシリーズでも長新太さんやささめやゆきさんなど個性的な画家の名前がずらり。共感しているからこそ実現できたコラボレートなのでしょう。シリーズで読んでみたくなります。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
友達のまりちゃんは目がみえない。それで考えたんだ。 「みえない」って どんなかんじかなあって。
以前読んですごく印象的な内容で、
また読みたいと探していました。
感想を書くのにも、軽い気持ちではかけず
躊躇していましたが、再び読んで、
素直に感じたことを書こうと思いました。
最初、ラストは予想もしていなかった展開に驚きました。
できることではなく、できないことに目を向ける。
当たり前のことのようなのに、気付いていなかったことに
気付かされ、今まで見ていた世界がひっくり返ったような、
そんな衝撃を受けました。
身体的なことから、精神的なことにも触れていることも、
心に響きました。
「おとうさんとおかあさんをなくしてみるわけにはいかないものね」
という言葉には胸を突かれました。
自分が体験できないことを、想像して、相手の事を思うということ。
そこで自分ができることは何だろう?と
さまざまな事を考えさせられた一冊です。
自分がこの本と10代の頃に出会っていたら、
どんなことを感じられたのだろう?とふと思いました。 (空色のかわうそさん 30代・ママ 1歳)
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