ごぼうさんとにんじんさんが、だいこんさんを誘ってお風呂に行きました。 いちばーん、とごぼうさんが飛び込むと、あちちあちち、お湯が熱くてすぐ飛び出してしまいました。 (だからごぼうさんはまっくろけのまま) こんどはにんじんさんが入って、あち、あちち、でもがまんしてじーっとつかって、あがるとまっかっかになってしまいました。 (だからにんじんさんは今でも真っ赤) だいこんさんが入るときは、熱いのがいやだから水でうめて、ぬるいお湯にゆっくり入って、それから体中よく洗ったのでした。 (それでだいこんさんはまっしろ)
「むかし むかし だいこんさんが はたけで くうくって ねてるとね」 「にんじんさんと ごぼうさんが やってきてねえ だいこんさん おふろへ いこうよ そう いったって」 おばあちゃんにお話してもらっているような口調の味のある文章です。 ごぼうさん、にんじんさん、だいこんさんがなぜ今の色になったのかという楽しいお話です。
ビデオ作品では、作者の松谷みよ子さん本人が読み語りのナレーションを担当しています。まさにおばあちゃんのおはなしといった趣です。
「ね おだいどころへ いってごらん ほんとでしょ とっぴんぱらりのぷう」 子どもはこの終わり方がたまらなく楽しいようです。
にんじんさんと、ごぼうさんと、だいこんさんが、いっしょにおふろに入ったら……。
にんじんさんとごぼうさんとだいこんさん。
それぞれの体の色になった訳とは・・
全く色の違う野菜たち。
よく考えてみると同じ野菜なのにこんなに違うのって
子どもにとってちょっと不思議なことなのかもしれない、
とこの本を読んで考えさせられました。
そんな不思議さを、なんだか妙に納得させられてしまうのが
このお話。お風呂に浸かるというのがユニークですね。
「○○してねえ」という優しいかたりも特徴的です。
自然に穏やかな口調になって、すっと物語に溶け込めます。
私は大好きな絵本なのだけれど、息子は「ふーん」という反応。
それでも、最後の「とっぴんぱらりのぷう」は好きなようで、
何かの拍子に一人で言っていたりしているので、
お話は心の中に残っているのだと思います。
長くないお話なので、覚えてお風呂や寝る前などに
お話できたらいいなぁと思いました。 (空色のかわうそさん 30代・ママ 男の子1歳)
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