『がたごと がたごと』はじめ、内田麟太郎さん&西村繁男さんのコンビには傑作絵本がたくさんあります。
どの作品にも共通しているのは、言葉と絵との絶妙・奇妙な関係性。
シンプルな言葉にちょっとおかしな設定のストーリー、そこに西村さんの絵がつくと、
想像もつかない世界が広がっていくのです。ところが読んでみれば呼吸はぴったりだったりして。
そんな二人が今度は「あいうえおのえほん」を作っちゃった。
「あまがえる あめより あめの あまやどり」
「くまも くるしむ くさい くすり」
「しかめっつらの しかいに ししも したむく」
「ほたて ほめられ ほんきで ほんよむ」
これは内田さんから西村さんへの挑戦状!?…なんて、勝手に勘ぐっちゃったりして。
だってこんな奇想天外な言葉の数々、どんな絵が出てくるのか想像もつきませんよね。
ところがやっぱり絵本のページをめくっていくと、次から次へと登場するとんでもない場面展開にもう夢中!
大声で笑わずにはいられなくなるのです。
不思議な組み合わせです。
どんな絵になっているのかは、読んでからのお楽しみにしてほしいのですが、
くさい薬で苦しむくまくん、本気で本を読むほたてくんの姿、期待していてくださいね(笑)。
個人的には、「千人分の洗濯物が並んでいる」仙人の庭の壮大なスケール感もお気に入りです。
声に出して楽しい、絵をじっくり見てまた楽しい。
小さな子どもたちでも言葉の面白さを存分に味わえるこの1冊、オススメです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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