いつもにこにこアントン先生。
アントン先生の動物病院には、毎日いろいろな動物たちがやってきます。
今日も朝早くからやってきたのは、声が出なくなったというニワトリ。
話を聞いて、薬を処方して、ニワトリはあっという間によくなります。
すると今度はお腹がいたいというトラ。更にやってきたのはアゴがはずれたワニ!
ヘビ、フラミンゴ、バイソン、ゾウ・・・
どんなにコワイ患者さんでも、やっかいな症状でも、
アントン先生はいつも冷静。優しく話を聞きながら、適切な処置をしていきます。
すっかり良くなった時には、患者さんと一緒ににこにこ大喜びなのです。
いいなあ、アントン先生。こんな先生が近くにいたらな。
でも、こんなに働きづめで大丈夫?
ヤギさんの心の病のお話を聞いているうちに、アントン先生がとうとうバタ〜ン!
大変、たおれてしまいました。
びっくりした動物たちは・・・?
優しく親切なアントン先生のことを慕っている気持ちは、森の動物たちならみんな同じ。
気持ちのこもった恩返しの場面は、先生も動物たちもみんな嬉しそう。
そして読んでいる私たちも幸せな気持ちにしてくれます。
心があたたまる物語ですが、どのページでも思わず笑ってしまうのは作者が西村敏雄さんだから?
特に動物たちのダイナミックな困り顔(!?)には、本人たちには失礼ながら毎回吹き出してしまいます。
まあ、あくびをしてあごがはずれちゃったワニなんてね。恐怖感も悲壮感も漂いませんよね。
たくさんの子どもたちがアントン先生の雰囲気に触れて、アントン先生ってどんな先生なのかな・・・って想像してくれるといいな。
そんなことを感じた絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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