葉っぱの葉と子で「葉子(はこ)」。
なんて素敵な名前なんでしょう!
でもね、みんなで自分の名前の意味について話をしている時に、はこちゃんはすぐに答えられなくて悲しくなってしまうのです。
おまけに、そこに陽太くんがやって来てからかうのです。
「やーい やーい 葉っぱの子!」
はこちゃんは思わずひとり大好きな公園に駆け込んで泣いてしまいます。
「そんなに へんな 名前かな。」
そこではこちゃんに語りかけ、透き通るような声で歌ってくれたのは?
はこちゃんを優しく包み込んでくれたのは?
美しい緑に囲まれて、すっかり元気になったはこちゃんは、家に帰ってお母さんに聞きましたよ。
「わたしの なまえ、どうして『葉子』っていうの?」
一人にひとつ。その子だけの大切な宝物。
それが「名前」です。
でも、子どもたちはその「名前」をしっかりと受け入れるためには色々なことを思うものです。
特にちょっと変わった名前だったり、からかわれやすい名前だったりするとね。
はこちゃんのお母さんが教えてくれたお話の内容ときたら…
読者のみんながうらやましくなっちゃうはず。
「はこちゃん、なんていい名前もらったのでしょう!」ってね。
本当に瑞々しくて美しい絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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