「思い切ってバットを振ってみろ。
自信を持て。君ならできる」
監督の指示に気合を入れて構えるぼく。
…来た!
ちぇー、ボテボテのセカンドゴロ。ダブルプレーでチームも負けちゃった。
あーあ、もっとバッティング上手くなりたいよ。
試合でちっとも打てなくて、落ち込むルイが出会ったのは、野球部出身の仙ちゃん。仙ちゃんはルイに色々とアドバイスをくれます。レギュラーとして活躍していただけあって、さすがに詳しいのです。だけど、そんな仙ちゃんもホームランは打ったことがないと言う。
「打ちてえなあ、ホームラン。一生に一度でいいから、でっかいのをな。」
ルイは、彼がけがをしてリハビリ中だという事、それでも野球への情熱を失っていないことを後から知り、ぼくもいつか…と誓うのです。
野球が大好きな少年へ。夢にむかって歩き始めた子どもたちへ。
そして、野球を知らなかったお母さんたちにも。
見てもらいたいのは、仙ちゃんが目の前で見たという場外ホームランの場面。
そこには、有無を言わさぬ感動と野球の奥深さが詰まっています。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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