お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。 第2次世界大戦中のドイツで奇跡的に生きのびた、ひとりの女性の物語
赤ちゃんを走る列車から投げ出すなどということは、平時であれば、殺人行為と見られてしまう。しかし、(中略)たとえ生きられる確率は1万分の1であっても、ゼロではない道をわが子のために選んだという母親の決意は、一筋の「生」の光を求める崇高なものとして、人々の心を揺さぶらずにはおかないだろう――柳田邦男(「訳者のことば」より)
生まれたばかりの愛おしい我が子を、走行中の列車から投げ捨てる。
今の世であれば、まさに虐待でしかありえないような行為が、
実は死を目前にした極限での、母の愛そのものであるなんて…
平和な世では信じられない形で我が子への愛を表現せざるを得なかった
エリカの母の心を思うと、胸がしめつけられる想いでした。
縁あって柳田邦男氏の講演会を拝聴する機会に恵まれ、
その場でこの絵本を知りました。
自分のために購入した初めての絵本となりました。
親として、胸を張って我が子にすすめられるその日まで大切にしまっておきたい本です。
(みのきっちゃん。さん 40代・ママ 女の子15歳、女の子12歳、女の子9歳)
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