虫とり網とカゴを持って、なんとなく昆虫のいそうな木や草かげを探して・・・えいっ!
あぁ逃げられた〜、逃げ足も速いなぁ、なんて堂々巡り。
・・・そんな昆虫採集をされてきたみなさん(私もです)、ぜひこの本を読んでから野山にお出かけください。
まず目からウロコなのは、虫を捕まえる網。たくさんの種類があるのです。
高い木の枝近くを飛ぶタマムシには長ざお、幹に止まる昆虫にはランディングネット、水生昆虫を採るならタモ網が欠かせません。
道具選びだけではないんですよ!その振り方も重要なポイントです。
虫を目でとらえたら素早く横から振って網を返す「よこふり」。網の先を持って上からかぶせる「たてふり」。
木の幹の虫にはゆっくりと近づき網をそっとかぶせて奥にいれる。
この網の振り方は写真付き(今森さんご本人のまさに神業)ですから、まずは構えて振る!練習を。
トラップ(わな)をしかけて虫を採る方法もあるんですね。
バナナやキウイでチョウをおびきよせるバタフライトラップ、草むらに潜むキリギリスだって大好物のタマネギを使えばお手の物。
夜の自動販売機や街灯、コンビニエンス・ストアの灯りをチェックしてください。まるで虫たちが宴をしているみたい!
昆虫採集が、こんなに奥深いものだったなんて。
随所に登場する写真家・今森光彦さんが網をかまえ昆虫を待つ姿、その目は本気です。
気迫と情熱がこちらにまで伝わってきます。
虫が生息する春夏秋冬、森・野原・川の棲家、習性や好きな食べ物。
まず虫について徹底的に調べて知識を増やし、外に出て本物をさがす。
昆虫との対話を繰り返しながら培っていく勘こそが、昆虫採集の醍醐味なんですね。
「今森メモ」いう名のコラムには、昆虫少年達に送るメッセージが。
「昆虫たちは情熱がないとすがたをあらわしてくれない。
昆虫採集といえどもあなどるなかれ、だ。」
まったなしの真剣勝負のその先に待っているのは・・・虫たちとの出会い。
この楽しさと感動を味わうほどに深くはまっていく昆虫採集へ。大人も童心に戻って出かけてみませんか!
(竹原雅子 まなびナビ編集部)
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