丘の上に住んでいるぼくとわたし。 ある日、お弁当をつくったので、ひつじと、ぶたと、あひると一緒にピクニックすることに。 そこで、ピクニックする場所を探しにいくのですが・・・。 途中で大きな雄牛に追いかけられたり、飛んでいったひつじのぼうしを探したり、転がっていったボールを追いかけたり。いい場所が見つかるまでに、いつの間にかみんなお腹ペコペコです!
ジョン・バーニンガム待望の新作絵本は、ピクニックに出かけて、くたくたになるまで遊んで、帰ってくるっていうお話。シンプルだけど、なんて清々しくて気持ちのいい絵本なのでしょう。 青々とした地面に、広くひろがる大きな空。思いっきり走れる場所があって、かくれんぼできる草や木々があって。 そして「いい場所」の素敵なこと!! ああ、こんなにいっぱい遊んだら、私も一緒にお家のベッドに泊まらせてもらいたいな。
子どもたちに優しく問いかける言葉は、谷川俊太郎さんによる訳。 自由で大らかなバーニンガムの描き出す景色にぴったりなのです。
あたたかな季節を迎えた頃に読みたくなる軽やかな1冊。 さあ、お弁当を持って外に飛び出していこう!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
おかの うえの いえに ぼくと わたしが すんでいた あるひ ふたりは おべんとうを つくった そこで みんなで さがしに いった ピクニックする ばしょを
イギリスの優れた絵本作家に贈られるケイト・グリーナウェイ賞受賞作家、ジョン・バーニンガムの絵本です。 森にかくれたり、ボールをおいかけたりしながら、みんなでピクニックの場所をさがします。 詩人谷川俊太郎氏の訳が、さらりとやさしく問いかけます。 詩のような言葉を味わいながら、さわやかな季節の訪れを感じられる一冊です。
ジョン・バーニンガムの作品はたくさん評価されていて、いろいろな人が好んで読んでいますが、この絵本を誰かが読んでくれたところに出くわしたことはないです。
男の子と女の子がお弁当を作って、友だちのヒツジとブタとアヒルを誘ってピクニックに行って帰ってくるだけのお話ですが、
邦訳が谷川さんなので、1つ1つの会話のリズムも声に出して読むと、なんだかすごく味わいがあっていいんです。
これは絶対わざとだと思うのですが、絵の具が絵の輪郭からはみ出していたり、ちょっとデッサンがくるっていたりする作風なんですよ〜。
まるで小学校の低学年くらいのお子さんが描いたみたいな…。
だからこの絵本は、すごく有名な作家さんが描いた作品というより、もっと身近な誰かが描いた絵という印象を受けました。
さらにこの作品はちょっとした参加型に作られていて、聞き手の子どもたちに「○○は見つかったかな?」と、聞いてくるんです。
ここもいい!
作り手が作ったものを、読み手がただ読むだけでなく、ちゃんと聞き手に尋ねていることで、みんなの世界が1つの作品の中でつながってると感じました。
今度、おはなし会で使ってみたいです。
タイトルが「ピクニック」だし、絵の中の世界が初夏っぽい色あいなので、読むのは絵の中の季節に近い時期がいいかなと、思います。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子16歳)
|