「おいしいものはありませんか、おくちにはこんであげますよ」「とことことこ」って赤い柄に手足がはえたおさじさんがやってきました。とろとろにえた卵入りのおかゆ、おてつだいしてあげるっておさじさんはいったけど、うさぎのぼうやは「いいの。いらないの。ぼくひとりでたべるよ」おかゆに鼻をつっこんで、うさぎのぼうやはあっちっち。えーんえーん。
「ないてはだめよ。ぼくは、おさじさん。おいしいものをおくちへはこぶ、きしゃぽっぽ」と自己紹介するおさじさん。このやさしい響き、日本語ならではと思いませんか。おっぱいを離れ最初におぼえる「ふう、ふう、ふう」して「アーン」するもの。あかちゃんが好きにならないわけがない、ですよね。
『いないいないばあ』の松谷みよ子さん「あかちゃんの本」シリーズの中の1作です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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