「君のいる場所 Separate Ways」 みんなの声

絵本の流れは淡々と流れる日常です。
その中で登場する2人の主要人物の心境の変化や街の様子、何もかもが素晴らしく鮮明に描かれています。

絵は鮮やかな色遣いで、とても奇麗です。
字がないのですが、それがまたこの絵本の雰囲気をより一層深めています。

内容的には、哀愁めいた雰囲気が強いのですが、読み終えた後は心に小さな灯がともったような、ホッとするような気持ちになります。
初めて読んだとき私は、絵本でこれほど人を感動させられるものだったのか、と驚愕しました。

絵が美しい上に字がないので幼い子供に与えるのも勿論良いと思いますが、
「いつも通りの今日」をお過ごしの大人の方は特に、是非この本を読んでみて下さい。
気を張り詰めてる時は肩の力を抜いてくれ、寂しい時にはホッとさせてくれる絵本です！

何となくネットで絵本検索していて見つけた作品です。
作者は台北で今人気の絵本作家さん。
絵本作家、といっても「大人向け」絵本なのです。
どちらかというと、絵本という形をとっているイラスト集か、コマわりのない大人向けマンガという印象を受けました。
人物も風景もとても優しくて、心にジ〜ンと滲んでくる描き方をしてくれています。

この作品はお年頃の男女の恋の行方を描いていました。
中学・高校生以上の大人の、しっとりした恋愛話を読みたい方にお薦めします。
たぶん《小さな恋の物語》が好きな人には特にお薦めです。

左へ曲がる癖のある女の人と、右へ曲がる癖のある男の人。
運命の2人なのに、すれ違いが続く、せつないラブストーリーです。

恋をしている時のドキドキワクワク、心が浮足立つ気持ち。
そしてうまくいかないときの、世界が闇に思えるほどの落ち込む気持ち。
ずっと昔、若いころのそんな気持ちがよみがえってきて、本当にせつなくなりました。

このお話、映画のようだなと思ったら、実際に映画化もされていることを知りました。
主演は日本でも有名な金城武さんです。
こちらも気になり、DVDを観たのですが、やっぱり…2回ほど泣いてしまいました。

運命的に出会って、すれちがい、せつない日々、そして運命的な再開。
お話は、わりとよくある感じのラブストーリーですが、絵がとてもすてきです。

自然の樹木と都会の風景を組み合わせたような、幻想的な絵が独特だなと思いました。世間の人たちもこまかく描かれていて、じっくり見るとおもしろいです。
せつないけれど、暗い感じがしない絵本だなと思いました

子どもに読む本ではないなと、読みながら気づきましたが
息子も真剣に聞いているので読み続けました。

人生ってこんな風にちょっとした習慣や
運命のいたずらですれ違ってしまい、
切ない気持ちをもったりすることもあるんですよね。

すれ違いがもどかしく、
だからこそ出会えた時、余計ほっとしました。

息子も最後「ええっ、一緒に住むようになったんだ」と
嬉しそうに言っていました。

なんと歯がゆいラブストーリーなのでしょう。
出会わずにいたら何事も起こらなかったのに、出会ってしまってからの長いすれ違いに、イライラしてしまうのですが、ひょっとしたらそのまま消えてしまう恋もあるのですよね。
ふたりの糸がつながっているのか、そうでないのか、当事者には解らないことですが、見せつけられる読者は我がことのように、成就を祈るのですね。

大人、または思春期以上の年齢のお子さんにオススメしたい絵本です。
彼と彼女の心情がとても繊細に描かれていて、この絵本を読んだあとは、恋愛小説を読み終わったあとのような甘酸っぱさを感じました。
好きな気持ちも、大事な気持ちもあるのに、なかなか相手に伝えられない様子に共感しました。

今日、図書館で何気なくこの絵本を手にとりました。パラパラとページをめくるうちに、ドキドキして
ハラハラしてきて、いっきに見終えました。なんて素敵な絵本？あまり文字もなくただ絵を見ているだけ
なのにとてもせつなくて、まるで映画をみている様な錯覚さえ覚えました。
さっそく手元に置きたい１冊になりました。素晴らしいの一言です。