この絵本を読んで正直びっくりしたのです。この爆発するような感覚は何だ? 打楽器をたたくようなこのリズムは何だ? 思わず自分でも「わぉ!」と叫びたくなりました。私にとって長野ヒデコさんは、温かみのあるホンワリした作家で、信念の人、感情をむきだしにしたような絵本を想像していなかったのですから。
カバー裏の説明を見て理解できました。この爆発力は、恐怖心から出たのでした。大雪山に上った時にクマと遭遇しないように祈りながら、自分を奮い立たせるようにして歩いていた時にとっさに出た言葉「もりもり くまさん もりのなか」がベースだそうです。
なるほど、これだけの爆発力がないと足がすくんでしまうかも知れない。
それほどに、破壊力のあるリズム感に満ちた絵本です。子どもたちはこのようなリズムが大好き。歌うようにみんなで、手をたたいたり、机をたたいたりして群読して「わぉ!」っとやると、最高です。
この絵本を助けているのは、スズキコージさんの絵。なるほど、このパワーはスズキさんの世界でもありました。(長野さんの絵は、やっぱりやさしい品のあるおばさんの絵ですもんね。)
この絵本、パパの出番かもしれませんよ。