バーナテッド・ワッツは、こうさぎジャックとかハネスうさぎとかを読んだことがあり、またグリム童話等の挿絵をてがけています。
暖色系の暖かい絵風は、見る者を穏やかな気持ちにさせてくれます。
この作品も、やはりその柔らかいタッチと暖色系の絵は、農場という設定も相まって素晴らしい出来栄えだと思います。
まさに絵本らしい作品と言えます。
麦畑のかかしのペーターは、小麦が刈り取られると役目は終わり。
毎日、遊んでくれた子供達も冬になると来てくれなくなり、やがて朽ちてしまいます。
でも、春になった時に、ペーターは農夫のそばの野菜畑に運ばれて、そこで見張りをすることになるのです。
最後にペーターは、農夫の家族の一員になることができるのですが、家族の優しさを大いに感じることができます。
特に、農夫の子供達の思いやりが充分に伝わってくるので、その気持ちを感じてもらえれば最高でしょう。
読み聞かせした子供が、優しい気持ちになってくれること受けあいの絵本だと思います。
爽やかな読後感の得られる清涼剤のような一冊です。