こどもの頃、傍にあったたくさんの絵本と、
こどもにはいい絵本をと願う母のおかげで、
今も本屋さんに行くと絵本コーナーに行くのが楽しみなのですが、
ある日、いつものように本屋さんの絵本コーナーに行ったら、
慣れ親しんだ言葉が書かれた絵本に出逢いました。
その絵本の題名は、「おはよう」。
親元を離れ、一人暮らしをするようになってから、
朝起きてすぐの「おはよう」を言う機会が減り、
でもそのことさえも忙しさの中に埋没していた私にとって、
「おはよう」という言葉が自然と沁みてきて、思わず手にとっていました。
読み始めてみると、優しい色づかいや、小さく、
でも丁寧に描かれた人や背景の美しさに、
私の心はワクワクしてたまりませんでした。
自分の発した「おはよう」という、何気ない日常のはじまりが、
誰かの小さな幸せに繋がっていける、
そんな愛しい世界に住んでいることの幸せに、心が震えました。
気持ちは、連鎖します。
同じ連鎖なら、この絵本のように、やさしい気持ちを連鎖して生きていけたら、
きっときっと幸せな世界が増える。
こどもの傍に、いつもこんな優しさがあったら、
何があっても、きっとその子は大丈夫だと思うのです。
いつかお母さんになったら、一番にこの絵本を読んであげたいと思いました。