3歳語辞典(小学館集英社プロダクション)
大爆発する息子の言葉を父がエピソードとともに記録した、クスリと笑えてちょっぴり泣ける新感覚エッセイ
みんなのいえ(文溪堂)
たしろちさとさんデビュー作が待望の単行本化!
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5件見つかりました
「やい、北風、はやく春をつれてこい」 何度も繰り返されるこのフレーズ。 この言葉には、東京に働きに行った両親のことを思う子供の気持ちがぎゅっとこめられています。 両親が家族のために頑張っているのが分かるから、わがままは言えないけれど、恋しくてたまらない気持ち。 それが「春」という言葉に秘められていると思うと、読んでいる方も、早く春が来たらいいなぁと願わずにはいられません。 春が近づいてきたことに気づいた子供達の可愛らしい笑顔が、愛しくなるラストでした。
投稿日:2019/05/20
コウくんは小学校の1年生。うちの息子と同じ年です。 そのコウ君のお父さん、お母さんは、冬になると東京に働きに出る。 コウ君は、お母さんが編んでくれたくさ色のマフラーをしっかり巻いて、冬の間、その寂しさに耐えるのです。春まで、春までと思いながら。 「やい、北風、はやく春をつれてこい。」 何度も何度も出てくるこの言葉に、コウ君の春を待ちわびる気持ち、両親を思う気持ちが伝わります。 お母さんが編んでくれたくさいろのマフラー。 風に飛ばされてなくなったら、お父さんもお母さんも帰ってこないような気がして... その気持ちがせつなく、心にきゅっと響きます。 早く春がきますように、一緒に願いたい気持ち。
投稿日:2010/03/03
後藤竜二さんの最初の絵本だそうです。 そう言われてみると、他の後藤さんの絵本ほどインパクトがないのですが、後の絵本につながる原型と新鮮さがあるようです。 北海道の漁村の生活。雪のころになると両親は「出稼ぎ」に行き、残されたものの生活になります。 両親が帰ってくる春を待ちわびるコウちゃんは、お母さんの編んでくれた草色のマフラーをいつも着けていました。 草色は春の色。風に飛ばされてしまって、探し歩いて見つけたマフラーの下に春を見つけました。 両親が帰ってくる春です。 とても抒情的なストーリー。 岡野さんの絵がとても素朴で、お話を包み込んでいます。 現在、単身赴任や共働きは多いかもしれません。 漁村のような共同生活と出稼ぎということを子どもたちに伝えたい絵本でした。
投稿日:2010/02/05
おかあさんが、マフラーを編んでいる場面からお話がはじまります。おかあさんが、どんな思いでマフラーを編んでいるのか伝わってきます。 コウくんの「やい北風、はやく春をつれてこい」という叫びは「はやく、おかあさんをつれてきて」と言っているようです。コウくんは、北風のつめたさなんかには負けないでしょうが、おかあさんのいないさみしさはつらかっただうな、と思いました。 風の強い寒々とした中で、マフラーの緑と小さな芽吹きがあたたかさを感じさせます。 作者の「子供の心の豊かさは、父母の生きてきたはげしい生活と風土によって、血となり肉となる」という言葉が印象に残りました
投稿日:2007/11/08
北海道の雪深い町のお話で、冬の間に出稼ぎに行く両親を春まで待っているコウくんの切なく、自然に語りかけるところがおもしろいです。子供たちが共感を持てるところがいいと思いました。 春が早くきてほしくて、北風やいろいろな冬の自然たちに一生懸命語りかけるコウくんがとても印象的です。 出稼ぎの間会えない親子の寂しさを子供たちも感じとっていました。
投稿日:2007/02/28
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