ある魚料理専門店の「いけす」の中のお話です。
黒田征太郎さんのイラストの鯛が、ものすごくお噺のイメージに合っていて、その表現に笑ってしまいました。
特に表紙絵は、この噺に登場する大らしさが強調されているような気がします。
まんま桂三枝さんの創作落語ですから、将来落語家になりたい人の練習には(もしかしたら)もってこい(?)かもしれません。
親分肌のいけす歴20年という大将『ギンギロ』と、新入りだけど入ってそうそう人の網から逃れた生きのいい真鯛の『ロク』との会話のやり取りは、ポンポン弾んで小気味よかったです。
ラストにはちょっと悲しい事件が起きるのですが、
カッコいい親分肌の『ギンギロ』の活躍は最後まで、一貫してカッコ良くて、目が離せませんでした。
この絵本はそうとう練習して、噺の落語的要素をうまく出して読まないと、だらだらとしたつまらない絵本になりそうです。
なので、大勢の前での読み聞かせにはどうかな?と、思いますが、
お父さんお母さんがお子さんと向き合って、声に出して読んであげる分には楽しい1冊となりそうです。
「いけす」や「鯛」という魚の種類がわかる年頃の方が面白く感じると思うので、お薦めは6,7歳以上かな?もちろん、大人が読んでもめっちゃ楽しいです!