むかし、サー・オルフェオという勇敢で慈悲深い王がいました。
彼の奏でる竪琴は素晴らしく、人々や小川さえもじっと聞き惚れていました。
あるとき、彼の愛する妃が何者かに連れ去られてしまいます。
サー・オルフェオは竪琴だけを手にし、妃を取り戻すために旅に出ます…。
エロール・ル・カインのケルトの文様を用いた絵がとても素晴らしく、物語を引き立てます。
最後、サー・オルフェオがこじきの身なりのままお城に戻ってきて、廷臣たちにちょっとしたどっきり(?)をしかけるところが、シリアスな物語の中でオルフェオのおちゃめな部分を見れたようで、面白かったです。
訳者あとがきを見ると、本当のお話はハッピーエンドではないようで、元の話も気になりました。