原作は1970年に発行。クリスマスが近づいたというのに、しまり屋のおじさんは、クリスマスの飾り物などはいらないという。小鳥たちが食べるムギの束、鳥の家、ヤドリギの輪飾りを、なんとしてでもご亭主に買ってもらいたいおばさんは、ちょうどスプーンくらいに体が小さく縮んだのをいいことに、市場に買い物にいくおじさんにくっついていくが…おばさんとおじさんのおかしなやり取りが楽しい冬の絵本。
一面の雪景色に、人々のカラフルな洋服が印象的。60年代〜70年代ごろの愉快なファッションを思わせるような、ファンキーさ。雪が真っ白だから、愉快で軽快なデザインが映える。人の個性がハッキリ絵に表れていて、出てくる人がそれぞれの人生を歩んでいる様子が感じられる。
小鳥たちに食べ物を分けてあげるとか、家を用意してあげるという風習があるとう。厳しい冬に生き物に向けた温かな気持ちで、こちらまで温まりました。
おばさんは、明るく元気で勇敢だ。もう若くないからといっていじけたり、悲観したりしない。今日も面白いことを見つけてやろうという意欲があり、やりたいことは全部やろうという意思がある。
どんどんおじさんに買い物をさせてしまう場面は、ユーモラスだ。女はおばさんになってからはじめて完成するのだ!
最後の場面は大人向け!?で、いつまでも夫婦は男と女の関係なのだなあと、感心しました。ごちそうさま!